工事を請け負う施工業者が、建て主に対して、工事の費用に関することを提示することを見積りといいます。この見積書に記載されている金額が折り合えば、工事請負契約を結びます。
見積書は、内訳の明細まで出してもらい、設計を依頼した建築士と相談しながら内容をチェックします。このことで、あいまいな部分をなくし、トラブルを防ぐことができます。
1.工事見積書
工事見積書は、設計図と仕様書をもとにして、以下に記します各工事ごとに、仕様材料や規格、寸法、数量などを積算して、全体の総工事費が計算されます。
2.工事費の区分と内容
■仮設工事
仮設工事費 |
工事のための足場、工事用の電気料、水道料などの間接費、など |
■建築工事
土工事費 |
土台となる基礎工事。仮枠の組み立てからコンクリートを流し込むまでの工事費 |
木工事費 |
材木を使用する工事の費用の総計。木造住宅の場合、そう工事費の40〜50%程度が木工事費となることが多い |
屋根・板金工事費 |
屋根ふき、軒、雨といなどの工事費 |
左官工事費 |
内壁のしっくい塗り、外壁のモルタル塗り、吹きつけの工事費など |
建具・ガラス工事費 |
開き戸、引き戸、窓、障子、ガラスなどの工事費 |
塗装工事費 |
ペンキ、ニス、ラッカー塗りの工事費 |
タイル・石工事費 |
浴室、流し台周りのタイル工事、玄関などの石張り工事費 |
内装工事費 |
壁、床天井などの仕上げ工事費 |
雑工事費 |
造りつけの家具、戸棚、流し台その他、細かい部分の工事費 |
■設備工事
■諸経費
諸経費 |
賃金・建設工事保険・労災・その他現場管理費 |
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そのほか、電気器具(照明)、門、塀、物置、車庫などの工事費もあります。
以上が見積書に記載されている内容のあらましですが、これ以外に設計監理費、建築確認申請手数料や上棟式、建物保存登記料やその他雑費が見込まれるので、それらを考慮し総予算の10〜20%程度を見ておく必要があります。
どの工事にどれぐらいの費用がかかるかは、建物の構造や規模により異なりますが、一応の目安として、仮設工事費は2〜5%、建築工事費65〜75%、設備工事費15〜20%、諸経費10〜15%というところです。
3.工事請負契約を結ぶポイント
・契約書の内容をよく理解する
契約書の内容が難しい、よくわからない、金額に不信がある、というときは「内訳明細書」と照合しながら、理解できるまで施工業者に尋ねることが、トラブル防止につながります。
・契約書の内容
注文者、請負者、着工および完成予定日、引渡し時期、請負代金の額、請負代金の支払方法などを記載することになっています。また、契約書には設計図、仕様書、見積書を添付することになってます。重要書類なので大切に保管しましょう。
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